AEは割れに伴う弾性波放出であり、材料の微視破壊過程の研究あるいは構造物の健全性のモニタリングのための手法として用いられてきた。特に研究代表者らのグループは、AE原波形解析法と称して、微視割れの発生の際に生ずるAE波形に対し逆問題解析を行なうことにより、個々の微視割れの大きさを定量的に導出する手法を開発し発展させてきた。一方近年、このAE法を加工、製造の分野に応用しようとする試みが、国内外のいくつかのグループで行なわれ始めている。特に材料の加工の際に発生するブレ-ド、バイス等の破壊のモニタリングに使われ始めており、発生した信号の周波数特性や持続時間等によりAE信号を区別して、加工ツールの破損を検出する手法の開発が進められている。しかし、AEにより解析できるのは微視破壊の力学的情報だけであり、微視破壊の材料学的な因子は解析できなかった。 現有の負荷装置を改造し、電磁波アンテナを取り付け可能な治具を作製した。プローブ部をできるだけ低い雑音レベルにするため電磁波シールドの検討を行った。負荷中の試料からの電磁波信号を検出するための耐雑音プローブの検討を行った。電磁波シールドの部分を中心に検討を進めた。
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