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1998 年度 実績報告書

ポーラス金属合金の創製と構造・機能材料への応用

研究課題

研究課題/領域番号 08875138
研究機関大阪大学

研究代表者

中嶋 英雄  大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (30134042)

研究分担者 太田 健一  大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (10150351)
村上 健児  大阪大学, 産業科学研究所, 講師 (60112067)
キーワードポーラス金属 / 多孔質材料 / 共晶反応 / 金属・水素系合金 / 一方向凝固
研究概要

我々は気泡(ポア)を繊維のように一方向に揃えることによって軽量な,しかも,ポア成長方向に強いポーラス金属を溶解凝固法によって創製することに成功した。この原理は,ガス原子が固体金属にはほとんど固溶しないが,液体ではかなり溶解するという金属系を取り上げ,液体から固体に凝固する際の過剰ガス原子が気泡を生成することによってポーラス金属を創製しようとするものであり,新しい鋳造法の創出をめざした斬新な研究であると考えている。ハース(鋳型)に水冷部を設けて流し込んだ溶融金属を下方から一方向凝固させるとポアの成長方向はそれぞれ下がら上へ向かう一方向性多芯状構造,つまり,レンコン構造(Lotus-Structured)金属になることが実験的に明らかにされた。本製造方法では,ポアの方向,サイズ,ポロシティを自由に制御できる点が従来の方法と異なり,際立って優れている。このポアの形態制御パラメーターとしては,溶融温度,凝固冷却速度,水素(酸素)ガス圧力,不活性ガスとの混合体積比・圧力などが挙げられる。
本研究で作製されたポーラス銅の特徴をまとめてみると,
(1) ポアサイズの直径は1μmから10mm程度である。
(2) ポアの方向を自由に制御できる。
(3) ポロシティは最大80%程度である。
(4) ノンポーラス金属材料に比べて表面積は数百〜数千倍大きい。
(5) 機械的加工性,成形性,切削性に優れる。
(6) 内部摩擦減衰能が大きい。
(7) 電気伝導性に優れる。
(8) 熱伝導性に優れる。
平成8年度からの3年間の萌芽的研究の期間に,当初の目標をはるかに上回る大きな成果を挙げることができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 中嶋英雄: "ポーラス金属の創製" バウンダリー. 5. 21-23 (1998)

  • [文献書誌] 中嶋英雄: "ポーラス金属の創製と応用" マテリアルインテグレーション. 12. 37-44 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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