1.植物体の画像取り組みシステムの開発 CCDカメラで植物体の画像データをコンピュータに取り込み、保存するシステムを構築した。ハードウエアとして、CCDカメラ、画像処理ボード、画像解析用コンピュータ、画像データ記録装置、照明装置、植物体を載せるターンテーブルを用いた。開発したシステムによって植物体の多方向からの画像を取り込み、保存することが可能となった。また、本システムによって26万画素データ192枚の多量の画像情報を同時に扱うことができるようになった。 2.可視光画像データからの三次元図形の復元アルゴリズムの開発 多方向からの植物体の側面画像をもとに三次元画像を再構成するアルゴリズムを開発し、植物体の形状把握のための、一種の可視光CTの開発が可能かどうかを検討した。まず、単純逆投影法を改良した方法によって各層の断層像を得、それらを積み上げて三次元の画像に再構成した。ただし、簡単のために側面画像は平行光線による投影画像と仮定した。アルゴリズムの有効性を確かめるために、コンピュータ上の仮想空間にランダムに配置された直線と円の180の方向からの投影画像を求め、その画像から元の図形を復元した。領域の大きさに対して個々の図形の大きさが十分に小さければ、視線方向の画像領域の遮蔽率が約60%以下の場合に画像の復原が可能であった。したがって、可視光CTの場合、植物体の相互遮蔽によって情報が失われるが、比較的小さな葉が過度の集中なく分布している場合には、この方法によって三次元画像に復元できる可能性が示唆された。
|