研究概要 |
「ムギネ酸-Fe^<3+>」として与えたFeは10分で地上部新葉に移行すること、また地上部切断葉から与えた場合は30分以内に根に移行することがラジオオートグラフで得られた.地上部からのFeの移行は,茎根の分岐点で地上部への再転流と,地下部へと分配される。すべての根に均一に分配されるが,地上部へは主として新葉に再転流される.転流したFeの一枚の葉での分布は非対称である.根は先端部分にFeが集積する.また,Feの移行には光が強く関係しており,一枚の葉の遮光した部分には移行しない.くわしく調べると葉脈に移行するが葉肉には移行しない.そこで,単離葉緑体を用いて「ムギネ酸-Fe^<3+>」の吸収移行をみると,明条件で吸収され(influx),暗条件で排出された(efflux).すなわち完全に葉緑体へのFeの吸収が光に依存していることを証明した.また,この吸収はDCMUにより完全に阻害された.BPDSによって完全に阻害されることがなかったので,Strategy-1の鉄吸収機構以外の機構が存在すると考えられる.
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