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1996 年度 実績報告書

誘導型プロモーターによる植物の誘導変異遺伝子タギング法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 08876018
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

河内 孝之  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (40202056)

研究分担者 竹村 美保  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (20273857)
キーワード誘導型プロモーター / 遺伝子タギング / アンチセンスRNA / テトラサイクリン / 塩素酸耐性 / タバコ / 培養細胞
研究概要

これまでに、テトラサイクリン(Tc)による誘導ならびにアンチセンスRNAによる遺伝子の発現抑制がタバコで実際に可能であることを確かめるために、以下の実験を行った。まず、Tc誘導型プロモーター下で硝酸還元酵素(NR)遺伝子のアンチセンスRNAを発現するコンストラクトを作成し、リ-フディスク法によりタバコ植物体に導入した。得られた形質転換体タバコを水耕栽培法により生育させ、Tcの有無による塩素酸への耐性を調べた。その結果、Tcを与えないと塩素酸の添加によりこのタバコは枯死したが、Tcを与えると塩素酸を添加してもほぼ正常に生育した。さらに、ストランド特異的プローブを用いたノザン解析により、NR遺伝子のmRNAおよびアンチセンスRNAの存在量を調べた。それによれば、Tcを与えたタバコではアンチセンスRNAが合成されていたのに対し、与えなかったタバコではほとんど合成されていなかった。また、前者のNR遺伝子のmRNA量は後者に比べ減少していた。以上のことから、TcによりNR遺伝子のアンチセンスRNAの転写が誘導され、さらには合成されたアンチセンスRNAによってNRタンパク質の機能が抑制されることが明らかとなり、目的とする誘導変異遺伝子タギング法が可能であるものと考えられた。そこで次に、Tc誘導型プロモーターのみを持つコンストラクトをタバコにランダムに導入することを試みた。植物体では扱える個体数に限りがあるので、培養細胞の系を用いることにした。そのためにまず、テトラサイクリンリプレッサータンパク質(TetR)を高発現しているタバコの葉からカルスを誘導し、培養細胞系を確立した。そして、これら培養細胞からRNAを単離し、ノザン解析によりTetRが高発現されていることを確認した。現在、この培養細胞を用いて形質転換を行い、多数の形質転換体を作出している段階である。今後は、得られた変異体からTcの有無により塩素酸耐性に違いがあるものを強制的に選抜する予定である。そしてそれにより、ランダムに変異導入が可能であることを確認したいと考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 河内 孝之: "植物遺伝子機能解析:遺伝子ターゲッティングに向けて-1 概論と誘導型アンチセンスタギング法" 化学と生物. 34・8. 528-534 (1996)

  • [文献書誌] 竹村 美保: "ミニレビュー:生物生産における遺伝子ターゲッティング-植物における現状" 日本農芸化学会誌. 70・8. 900-903 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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