研究課題/領域番号 |
08876043
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
井上 京 北海道大学, 農学部, 講師 (30203235)
|
研究分担者 |
柏木 淳一 北海道, 農学部, 助手 (40241369)
富士田 裕子 北海道, 農学部, 助手 (50202289)
高橋 英紀 北海道, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (20001472)
|
キーワード | 湿地 / 泥炭地 / 水文 / 水収支 / サロベツ |
研究概要 |
湿地系では水の態様、すなわちその水文学が非常に重要な役割を有している。湿地系の土地利用、特にその保全や復元を考えるとき、水文学的検討を十分におこなうことが必要であるが、平坦で過湿な湿地系の水文について、水収支や水流動の形態についてこれまで十分な解明がなされたとはいいがたい。本研究は、特に北海道に広く分布する泥炭地湿原において、その形質を決定づけている水文環境について、泥炭地表面における水分動態を地下水位変動を指標として明らかにし、それをもとに水収支モデルを構築し、泥炭地の保全・復元に資することを目的とした。 本研究では北海道北部のサロベツ泥炭地において、各種観測・調査をおこなった。精密な地下水位変動および降雨量の観測を実施し、同時に電気伝導度計(EC計)を用いて、地下水のEC変化を連続観測し、地下水位変動とEC変動の関連を解析した。また現地に設置した簡易なライシメータでのデータを元に、降雨直後の水の動態、あるいは無降雨時の蒸発散が地下水位低下に及ぼす影響等を検討した。さらに表層泥炭の透水性についての検討を、室内実験をもとにおこなった。 泥炭地の地下水位変動をモデル化し、蒸発散の季節変化にともなう地下水位変動への影響、水分動態における蒸発散の寄与の割合等を明らかにした。また植生調査を実施し、植生ならびにその群落構造と蒸発散、地下水位変動との関連について検討した。さらに特異な間隙構造を有する泥炭の透水性、不均一性等について、軟X線画像による解析を試みた。
|