本年度は、マウス胎生8.5日目の胚のcDNAライブラリーからクローニングした複数個のSOX cDNAのうち新規の遺伝子に対応すると思われる1クローンについて、塩基配列を決定した。その結果、このクローンはこれまでに60アミノ酸をコードする部分cDNAのみの得られているmSox13であることが明らかになった。我々の単離したcDANはほぼmSox13のmRNAの全長をカバーしていると考えられる。推定されるアミノ酸配列における特徴は、DNA結合性のドメインであるHMG boxのほかに、典型的なロイシン・ジッパー有する点である。ロイシン・ジッパーは蛋白質-蛋白質相互作用を通じて他の因子と結合することを予測される。また、HMG boxはDNA結合能を有するドメインであると考えられているが、mSox13のHMGドメインもDNAに結合しうるか否かを調べた。mSox13のHMG box部分を発現ベタ-につなぎ、大腸菌の中で発現させた。蛋白質を精製し、ゲル・シフト法によりDNAとの相互作用を調べ、mSox13はAACAAT配列に特異的に結合できることが判明した。
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