研究概要 |
D1受容体作用薬のマウスにおけるけいれん誘発作用を検討し,D1受容体作用薬によりけいれんを発現させる方法を確立させた.また,D1受容体のけいれん発現機序を検討するとともに,その抑制する薬物を明らかにした. 雄性のddYマウスを用い,1群を8匹とし赤外線photocelを3個装着した直径490mm,高さ260mmの行動観察装置に1匹づつ入れて検討した.けいれんは観察により記録し,必要によりビデオに記録した.D1受容体作用薬のSKF82958を連日,週2回,週1回で投与し,投与する毎に運動量,けいれん及びそのほかの行動を観察したところ,1回/週で最もよくけいれんが出現した.SKF82958の週1回投与により誘発されるけいれんに対して既知の抗けいれん薬であるphenytoin,valproic acid,diazepamの抑制作用を検討したところ,けいれんはdiazepamで完全に抑制された.Phenytoinでは第2回目の投与時には抑制がみられたが,Valproic acidでは全く抑制されなかった.以上からSKF82958の連続投与によりけいれんが起こることを明らかにし,このけいれんが週1回投与でよく出現し,diazepamで抑制されることを明らかにした.またこのけいれんはドパミンD1受容体拮抗薬のSCH23390により完全に抑制され,このけいれんがドパミンD1受容体を介していることを明らかにした.
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