研究課題/領域番号 |
08877040
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
玉置 憲一 東海大学, 医学部, 教授 (50055860)
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研究分担者 |
山崎 等 東海大学, 医学部, 講師 (20191273)
中村 雅登 東海大学, 医学部, 講師 (00164335)
上山 義人 東海大学, 医学部, 助教授 (30072408)
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キーワード | 良性腫瘍 / 繊維性腫瘍 / 難治性 / 再発 / 特異遺伝子 / ポジショナルクローニング |
研究概要 |
腫瘍発生初期の遺伝的な変化を検索するためには、細胞の無制限の増殖を示すが転移せず、形態学的にも不揃いのない良性腫瘍での遺伝子異常の解析が必要と考えられる。本研究では、正常の線維芽細胞に対して良性・再発性の線維腫瘍のデスモイド腫瘍で、特異的に発現が増加・減少する遺伝子産物をRAP(RNA fingerprinting by arbitrarily primed PCR)法を用いてスクリーニングする。さらに、本研究はその中から細胞増殖に関与する未知の遺伝子を分子クローニングし解析することを目的とする。 平成9年度は非家族性に発生した腹壁外デスモイド腫瘍の孤発例(4例)よりこの腫瘍の発生もしくは進展に関わる未知の遺伝子のクローニングを試み、以下の研究を行った。 1.デスモイド腫瘍の病理組織学的解析及びSCIDマウス移植株の樹立: デスモイド摘出材料の一部を免疫不全動物(SCIDマウス)への移植を試みた。しかしながら、通常の状態では移植後3ヵ月以上観察したが、腫瘍Xenograft株は樹立できなかった。 2.RAP(RNA fingerprinting by arbitrarily primed PCR)法:腫瘍特異的遺伝子発現の検討: 腫瘍組織及び正常組織より全RNAを抽出し、poly(A)+RNAを精製した後、反応産物の一部をキャピラリー電気泳動装置(ABIPRISMTM 310,genetic analizer)を用いて分離し、腫瘍特異的に発現が増加・減少しているピークの同定を試みた。現在までに、特異的と思われるピークを選択し研究3へ展開中である。 3.腫瘍関連未知遺伝子のクローニングと解析: RT-PCR産物をポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いて分離し、特異的ピーク相当部を切り出した。ゲルよりDNAを抽出し、同じプライマーを用いたPCRで再増幅した後T-ベクターにクローニングした。目的のピークに対応するクローンがとれたことをgenetic analizerで確認、遺伝子配列を現在解析中である。
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