研究課題/領域番号 |
08877055
|
研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
岡村 春樹 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (60111043)
|
研究分担者 |
柏村 信一郎 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (00185761)
善本 知広 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (60241171)
中西 憲司 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60172350)
田村 俊秀 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70029792)
長田 久美子 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (90068502)
|
キーワード | IGIF / IL-18 / IFN-γ / ICE / Fas リガンド / アポトーシス / NK / マクロファージ |
研究概要 |
当研究機関で発見されたサイトカインIFN-γ-inducing factor(IGIF/interleukin 18)は活性化マクロファージからreleaseされることから免疫応答の調節に関与することが予想された。当初IGIF/IL-18産生の調節のしくみを明らかにする目的であったが研究が進むうちにこのサイトカインは複雑なプロセスによって活性型に変えられることがわかりその機序を明らかにすることやその生物活性を調べることを中心に研究を進めている。 これまでにIGIF/IL-18はIL-1β converting enzyme(ICE)によってIFN-γ誘導能のない前駆体がプロセシングをうけ活性型に変わり細胞外へreleaseされることを明らかにした(Science.1997)。またヒトIGIF/IL-18のクローニングも行いGM-CSFの誘導やIL-10の抑制の作用があることを示し(J.Immunol.1996),IL-12とIL-18による刺激でBリンパ球もIFN-γを産生しIgE産生の抑制が起こることを初めて明らかにした(P.N.A.S.1997)。その他にIGIF/IL-18の重要な働きの一つとしてTリンパ球やNK細胞のFasリガンドの発現や機能を高めFasを介するアポトーシスによる殺細胞活性を増強させることを明らかにした(J.Immunol.1996,Cell.Immunol.1996)。活性化したリンパ球はFas抗原を発現していることから抗原刺激によって膨脹したリンパ球のアポトーシスを誘導することによって炎症反応を終息に向かわせるのに関与しているのかもしれない。これらのリンパ球の中には自己反応性のものや悪性化の可能性のあるものも含まれていて排除される必要のあるものもあると考えられる。IGIF/IL-18の生理学的な働きはまだ不明のことが多いがマクロファージ以外の細胞も産生していることがわかり病理学的にも重要な役割を持つサイトカインであることが示唆されつつある。
|