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1997 年度 実績報告書

慢性ヘリコバクターピロリ感染症に対する内因性殺菌ペプチド遺伝子導入療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 08877086
研究機関旭川医科大学

研究代表者

高後 裕  旭川医科大学, 医学部, 教授 (10133183)

研究分担者 小野 稔  旭川医科大学, 医学部, 講師 (60185650)
キーワード抗菌ペプチド / PR-39 / Helicobacter pylori / adenoverus / 遺伝子治療
研究概要

我々は,萌芽的研究費補助金により以下の研究結果を得た.
(1)まずPR-39 oligopeptideのE.coliに対する抗菌能をMinimum Inhibitory Concentration(MIC)にて測定した.その結果は0.83-1.7mMと従来の報告と一致した.次に,Helicobacter pylori(H.pylori)に対するPR-39の抗菌能をPR-39 oligopeptideによるMICにて測定した.H.pyloriはAmerican Type Culture Collectionより得た3株(ATCC43504,ATCC43579,ATCC43629)および臨床的に得られた34株を用いた.PR-39 oligopeptideのこれらH.pyloriに対するMICは6.7-13.4mMであり,E.coliに対すると比較して10倍程度低くはあるが,PR-39のH.pyloriに対する抗菌作用が証明された.
(2)今回の研究の最終目的であるPR-39遺伝子を用いたH.pylori除菌の遺伝子治療の実験を開始した.RT-PCR法を用いてブタ小腸粘膜のmRNAよりPR-39のcoding regionをすべて含むcDNAを作成し,adenovirus vectorであるpAdex1CAwtに組み込んだ.PR-39を組み込んだadenovirus vectorをH.pyloriが感染している胃の粘膜上皮細胞に感染させることにより最低2-3週間はPR-39が産生,分泌され,H.pyloriに対して抗菌作用を及ぼすと考えている.
(3)H.pylori除菌の遺伝子治療のモデルとして現在H.pyloriの感染が報告されているスナネズニを用いた.スナネズニの胃にH.pyloriを感染させると約3か月で胃炎を起こしH.pyloriの持続感染が成立することが確認された.現在このH.pyloriに感染したスナネズニの胃にPR-39を組み込んだadenovirus vectorを感染させ,H.pylori除菌の効果を検討中である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Matsumoto A: "Ruduced expression of syndecan-1 in human hepatocellular carcinoma with high matastatic" Int.J.Cancer. 74. 482-491 (1997)

  • [文献書誌] 藤本 佳範: "syndecan-1およびその発現誘導因子PR-39の遺伝子導入による肝癌細胞の転移・浸潤能低下について" Biotherapy. 11. 969-972 (1997)

  • [文献書誌] 藤本 佳範: "肝癌細胞の再発・転移におけるsyndecan-1の発現低下について-syndecan-1およびその発現誘導因子PR-39の遺伝子導入による再発・転移阻止を目的とした遺伝子治療の試み-" 消化器癌の発生と進展. 9. 61-64 (1997)

  • [文献書誌] 高後 裕: "Syndecan-1の発現低下と転移" 肝胆膵. 34. 165-171 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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