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1996 年度 実績報告書

HAMの臨床免疫学的病態における異常リンパ球活性化機構とOX40,gp34の役割

研究課題

研究課題/領域番号 08877102
研究機関東北大学

研究代表者

糸山 泰人  東北大学, 医学部, 教授 (30136428)

研究分担者 藤原 一男  東北大学, 医学部, 助手 (70280873)
関沢 剛  東北大学, 医学部, 助手 (50150264)
菅村 和夫  東北大学, 医学部, 教授 (20117360)
キーワードOX40 / gp34 / HTLV-I / HAM / TSP / lymphocyte / activation / Tcell
研究概要

HTLV-I associated myelopathy(HAM)における活性化T細胞マーカーOX40とそのリガンドgp34の発現とその役割を検討した.
1)菅村らは、細胞株での検討によりHTLV-ItaxがOX40およびgp34をtransactivateすることを報告している。今回HTLV-I関連疾患であるHAMにおけるこれら分子の発現を明らかにするため、HAM、キャリアーおよび対照群の末梢血単核球の、培養前後のCD4あるいはCD8陽性細胞におけるOX40、gp34およびIL-2R αの発現をモノクローナル抗体を用いてフローサイトメーターにて2-カラー解析した.培養後OX40とgp34は、CD4、CD8陽性細胞いずれにおいても発現が増加した.OX40は常にCD4優位に発現した.培養前はIL-2R αいずれの群でもCD4優位に発現したが、9日間培養後はHAMとキャリアーではCD8優位、対照群ではCD4優位の発現となった.HAMの培養細胞のうち、特にblastoid cellsでOX40、gp34、IL-2R αのいずれも発現が増加していた.OX40の発現は、IL-2R α陽性細胞の10〜40%程度の頻度でみられた。
2)我々はこれまでに、HAMの末梢血リンパ球に特徴的なspotaneous proliferation(SPP)は、シクロスポリンAや抗CD25抗体などIL-2/IL-2R系を阻害することにより抑制されることを明らかにしてきた。そこでHAMおよび健常成人の末梢血リンパ球を抗OX40,gp34抗体の存在下で培養し、^3H-thymidine取り込みアッセイにより、これらの抗体のHAMのSPPへの抑制の有無を検討したが、SPPの抑制はみられなかった。しかしながら、PHAで刺激した健常成人の末梢血リンパ球の増殖反応は、抗OX40抗体のみでは抑制されないが、同時にこれら2つの抗体を加えると50%程度抑制された。
3)慢性関節リウマチや実験的アレルギー性脳脊椎炎では、OX40が急性期の病変部位に浸潤しているCD4陽性リンパ球に選択的に発現しており、自己免疫疾患のエフェクター細胞のマーカーとなりうる。今回、発症後10年を経過したHAM剖検脊椎およびコントロール脊椎(筋萎縮性側索硬化症)の凍結切片を、抗OX40,gp34抗体を用いて免疫組織染色を行った。これらは慢性期のHAM病変であり血管周囲に軽度の単核球浸潤がみられたが、OX40、gp34陽性細胞はみられなかった.
以上、OX40/gp34はIL-2/IL-2R系とは性質の異なる活性化マーカーであることが示唆された.またHAMの病変部位におけるOX40の役割に関しては、より発症早期の症例での検討が必要と思われた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Fujihara K, Itoyama Y, et al.: "Antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity (ADCC) in HTLV-I associated myelopathy/tropical spastic paraparesis (HAM/TSP)" J Neurol Sci. 142. 65-69 (1996)

  • [文献書誌] 糸山泰人: "HAM/TSPの病因" 神経進歩.

  • [文献書誌] 糸山泰人: "最新内科学体系 67(別冊)『神経感染症と脱髄疾患』" 中山書店, (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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