研究概要 |
熊本大学附属病院に設置されている7.05T MR system,18.3cmボア型を用い、C3Hマウス6匹、12部位で、移植した腫瘍6部位と対側正常下肢6部を用いた。[1-^<13>C]glucose 100mgを腹腔内に投与し、スペクトロスコピーは腹腔内に[1-^<13>C]glucose注入前および注入後5分毎、240分後まで行った。得られたpeak curveを[1-^<13>C]glucose注入前後でサブトラクションを行い、各ピークの同定を行ったところグルコースが2種類、グルタミン酸が3種類、および乳酸が検出された。また同時に時間経過を伴うピークの変化を追跡したところ、腫瘍部でも正常部でもグルコースは注入後10分で検出され、腫瘍部のピーク時間は注入後35分、正常下肢の筋肉でのピーク時間は注入後85分であった。乳酸は注入後105分にはピークに達し、240分後までそのレベルが持続した。腫瘍部のグルタミン酸の存在はグルコースの一部がSCC-VII腫瘍内でTCA cycleに入り利用されたことが考えられ、腫瘍内におけるグルコース代謝の研究に示唆を与える結果となった。 今回のデータをもとにピーク時間前後で[1-^<13>C]glucose imagingを行い、腫瘍中心部の壊死部がかろうじて判別できる程度の解像度ではあるが画像化に成功した。今後はより解像度をあげる工夫を行っていきたい。
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