研究課題/領域番号 |
08877152
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
田中 明 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (70171733)
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研究分担者 |
田村 倫朗 東京医科歯科大学, 医学部, 助手
小林 靖 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (70225548)
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キーワード | アポ蛋白B100 / 腸管 / VLDL / アポ蛋白B48 / 免疫組織染色法 / 小腸上皮 |
研究概要 |
ヒトの場合、小腸ではアポ蛋白B48が合成され、肝臓ではアポ蛋白B100が合成されると考えられてきたが、小腸でもアポ蛋白B100が合成されることを明らかにすることが本研究の目的である。 平成8年度(初年度)には、抗アポ蛋白B100モノクローナル抗体を用いた免疫組織染色法にて、小腸上皮にアポ蛋白B100が存在することを確認し得た。その結果は、Anns.N.Y.Acad.Sci.1997に発表した。 平成9年度(2年度)には、Crypt Isolation Methodを用いて小腸上皮を分離し、RT-PCR法を用いて小腸上皮においてアポ蛋白B100が発現していることを確認し得た。コントロールの肝細胞ではアポ蛋白B48の発現を認めなかった。この結果は第31回Hugh Lofland動脈硬化シンポジウム(ホノルル、1997)および第11回国際動脈硬化シンポジウム(パリ、1997)において発表した。 現在、イムノブロット法にて、小腸上皮にアポ蛋白B100が存在するかを検討中である。 本研究により、小腸でアポ蛋白B100の合成が確認されたが、この結果は小腸(食事)由来の超低比重リポ蛋白(VLDL)、低比重リポ蛋白(LDL)の存在の可能性を示唆することになる。LDLは動脈硬化のリスクファクターであり、食事の高脂血症に及ぼす重要性が増すことになる。 今後は小腸で合成されたアポ蛋白B100がリポ蛋白(VLDL)生成に利用されるかを明らかにする予定である。
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