研究課題/領域番号 |
08877158
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
板倉 光夫 徳島大学, 医学部, 客員教授 (60134227)
|
研究分担者 |
山岡 孝 徳島大学, 医学部, 助手 (40263826)
野地 澄晴 徳島大学, 工学部, 教授 (40156211)
|
キーワード | 膵ランゲルハンス島 / 膵β細胞 / 発生工学 / トランスジェニックマウス / サイトカイン / TGF-βスパーファミリー / アクチビン / TGF-β |
研究概要 |
(1)グルカゴンプロモーターによって、活性型TGF-β cDNAをNODマウスの膵α細胞で発現させ、パラクラインとして膵β細胞に作用させたトランスジェニックマウス(Tg)では、TGF-βの免疫抑制作用によりIDDMの発症が抑制された。さらに、このTgのホモマウスを作成したところ、膵β細胞の発生が障害され、膵ラ氏島炎の機序を介さずにIDDMが発症した。今後、TGF-βの発現量とIDDMの発症率との関係を検討し、TGF-βの膵島に対する作用を明らかにして行く予定である。 (2)インスリンプロモーターによって、アクチビンの優性阻害受容体を膵β細胞で過剰発現し、アクチビンの情報伝達を阻害したところ、膵島の形成不全が認められた。 (3)インスリンプロモーターによって、アクチビンの常時活性型受容体を膵β細胞で過剰発現したところ、やはり、膵島の形成不全が認められた。したがって、アクチビンを始めとするTGF-βスパーファミリーの適正な情報伝達が膵島の発生に重要であることが示唆された。今後、その他のTGF-βスパーファミリーの膵島形成に対する作用もTgを用いて検討する予定である。 (4)グルカゴンプロモーターによって、regIを膵α細胞で発現させたTgでは膵ラ氏島の巨大化が認められた。したがって、regIは膵島細胞の増殖に重要な役割を果たすことが示唆された。今後、膵島増殖作用が予想される種々のサイトカインの膵島に対する作用をTgを用いて検討する予定である。
|