研究課題/領域番号 |
08877181
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
佐藤 雅彦 北里大学, 医学部, 助手 (70215846)
|
研究分担者 |
松浦 信夫 北里大学, 医学部, 教授 (50002332)
久保 博昭 北里大学, 薬学部, 助教授 (40050570)
小口 弘毅 北里大学, 医学部, 講師 (30133292)
|
キーワード | インドメタシン / 未熟児 / 早産治療 / 動脈管開存症 |
研究概要 |
蛍光検出法を用いたHPLC法を用い、在胎週数30未満の極低出生体重児のインドメタシン血中濃度測定を行い、その体内動態について検討した。 (1)母体インドメタシン投与後に出生した児および母体 切迫早産の治療で母体にインドメタシンを3日以上投与後に出生した児9例を対象とした。母体へのインドメタシン投与は、初回は50mgの坐剤投与、2回目以後は25mgを6時間毎に経口投与を12回行いこれを1ク-ルとした。母体への投与開始時期は妊娠24.1から26.2週、投与期間は3から20日、総投与量は150から1025mgであった。インドメタシンの最終投与から分娩までの時間は2から95時間であった。児の在胎週数は26.0から28.1週,出生体重710から1028gであった。 結果:9例の児の出生直後における血中濃度は50から604.5ng/ml(273.1±236.1ng/ml)であった。同時に測定した5例の母体の分娩直後血中濃度は、20から70ng/ml(52.5±23.6ng/ml)であった。この5例の母体/新生児血中濃度比は0.03から0.45(0.35±0.07)であった。母体投与群9例中7例の半減期は、33.0から63.0時間(45.4±11.1時間)であった。 (2)動脈管開存症患児に対するインドメタシン投与 動脈管開存症に対しインドメタシンの投与を行った児6例を対象とした。インドメタシンは静脈内投与とし、1回量0.2mg/kgを12時間毎に3回投与を1ク-ルとした。但し、1ク-ルの途中で動脈管閉鎖を認めた場合には投与を中止した。児の在胎週数は26.4から28.4週、出生体重710から1084gであった。 結果:6例についての半減期は13.9から73.0時間(33.8±21.0時間)、Vdは0.30から0.56 l/kg(0.41±0.10 l/kg)であった。 極低出生体重児のインドメタシン血中濃度は、蛍光検出を用いたHPLC法により血漿20μlで測定できた。循環血液量の少ない極低出生体重児において、本方法によるインドメタシン血中濃度測定は有用であると考えた。
|