研究課題/領域番号 |
08877183
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
四ッ柳 高敏 弘前大学, 医学部・附属病院, 講師 (70250595)
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研究分担者 |
横井 克憲 弘前大学, 医学部, 助手 (00271809)
田中 一郎 弘前大学, 医学部, 講師 (10171737)
沢田 幸正 弘前大学, 医学部, 教授 (50138046)
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キーワード | 家兎 / 耳介 / 軟骨 / 移植 / 軟骨膜 |
研究概要 |
○基礎的実験(家兎を使用) 1.遊離複合組織移植(耳介の皮膚及び軟骨)で、平成8年度の基礎的調査により、皮膚面が直径2.5cm、軟骨が直径1.5cmの複合組織で、約80%と最も成着範囲が大きく、評価ができやすかったことをふまえ、同じ大きさの有茎複合組織移植との比較を行い、有茎複合組織移植でより軟骨の吸収が小さく、良好な大きさを維持していることを確認した。ここに軟骨皮膚弁の有用性が実証されたと考える。また、軟骨膜の存在が関与していることが考えられるが、今後の調査を要する。 2.遊離、有茎軟骨膜移植において、有茎軟骨膜移植のほうが安定した軟骨生成能を得ることを平成8年度の基礎的調査で明確にできた。それを元に耳介の有茎軟骨膜からの軟骨生成能を利用し、軟骨膜と皮膚を人間耳介の鋳型にはめ、8週間固定した。耳介は、鋳型と一致した良好な人間耳介形態となった。その御鋳型を除去しさらに8週経過観察したが、半数では良好な形態を維持していたが、他はやや形態がくずれた。臨床的に種々の立体構造を軟骨膜から形成される軟骨で再建するためには、今後本格的な調査が必要である。 ○臨床調査(平成8年度の調査に基づき、臨床調査を進めた) 1.耳介後面から挙上した軟骨皮膚弁により、耳輪脚部、外耳道などの耳介部分再建を行い良好な結果を得た(6症例)。 2.開発したペ-パ-モデルを元に、耳甲介部前面から挙上した軟骨皮膚弁と、その他2種類の局所皮弁を組み合わせ、耳介の約1/3の欠損も再建できることを発見した。3例に対し、本法を施行し、良好な結果を得た。 2.これまでは生後1週間以内の早期でしか耳介変形の矯正治療ができないとされてきたが、1歳以上の、より年長児においても、軟骨の可塑性を利用して矯正治療できることを発見した。50症例の種々の先天性耳介変形の治療を行い、約70%で良好な結果を得た。
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