研究概要 |
我々はこれまでIn vivoのみならずIn vitroレベルにおいてもマウスレベルにおける薬剤誘導性免疫寛容系を開発してきた。6x10^7のresponderと2000radの放射線照射をした3x10^7のstimulator (Sti-1)を2日間のMixed Lymphocyte Culture (MLC)した後Harvestし、制癌剤である5-FU(9mg/ml in RPMI)溶液で9時間Cultureする。CyclophosphamideはIn vivoに投与後肝臓で代謝されて初めて活性型となるため直接組織培養液上に添加出来ず5-FUを用いた。5-FUとCulture後再びHarvestし得られたviable cellをResponder(5-FU-Res)として用いる。5-FU-ResをResponderとしSti-1あるいはThird partyのoutbred pig(Sti-3rd)をStimulatorとして、In vitro assayであるCytotoxic T lymphocyte(CTL)assay、Mixed lymphocyte reaction(MLR)あるいはMLR上清中のIL-2,IL-4活性を調べた時、Sti-1抗原に対して抗原特異的に不反応性が誘導される。以上がIn vitro tolerance系の概要である。しかしながら、マウスで確立されたこの実験系はNIHミ二ブタを用いたブタリンパ球においての解析では現在までには充分再現しえなかった。マウスにおいてIn vitro studyで解明されたEffector-Target PathwayのすべてがHuman及びPigで同様に存在することは確認されているものの、ミニピッグにおいて、In vitro薬剤誘導性免疫寛容をMHCの異なる組み合わせで誘導するにはCP投与後のdestruction,chimerisについて検討を進めたうえで、どの段階で作用していないかを解明し、CP投与量の変更、donor骨髄細胞の投与、別の免疫抑制剤の追加など寛容誘導法のmodifyを行うことが必要と思われた。今後、さらに検討解析を行い、大動物での寛容誘導を目指す予定である。
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