研究概要 |
A)ICEとApopainに対する合成ペブチドインヒビターの開発:ICEとApopainに対してそれぞれ以下の2種類のinhibitorを使用し、Fas-induced cell deathに対する抑制効果、および低細胞毒性の面から1種類を選択した。ICE-inhibitorsとして(A:Ac-YVAD-H, B : VAD-FK)を,Apopain-inhibitorsとして(C : Ac-DEVD-H, D : Z-DEVD-FK)を用いた。^<51>CrラベルしたFas-transfectantsをA, B, C, Dのそれぞれで前処置(100μM,1hr)して、そこに抗Fas抗体(500ng/ml)を加えて、それぞれの細胞毒性、抑制効果を検討した。前処置による細胞毒性(%)/抑制率(%)は以下の結果を得た。A:19%/60.8%,B:3%/90.8%,C:14.6%/73.2%,D:2.8%/93.8%。この結果より、細胞毒性、抑制効果のいずれの面からも、FK(fluoromethylketone)の誘導体が優れていることが証明され、以後の研究ではICEに対してB : VAD-FKを、Apopainに対してD : Z-DEVD-FKを使用した。 B)GBMA(GranzymeB-Mediated Apoptosis)およびFMA(FasL/Fas-Mediated Apoptosis)に対するインヒビターの抑制活性の検討:(B-1)GBMAに対する抑制効果:^<51>Crと^<125>I-UDRでラベルしたL1210/Fasを標的細胞として用い、これにB(VAD-FK)とD(Z-DEVD-FK)を添加して1時間、前処置した。この標的細胞にRBL-cy-gzb(=perforinとgranzymeBのtransfectants)をeffector細胞として作用させ、その抑制効果を解析した。膜障害(^<51>Cr)はcontrolに対してBで45.6%,Dで53.8%抑制された。DNA傷害^<125>I-UDR)はBで85.8%,Dで94.5%抑制された。(B-2)FMAに対する抑制効果:L1210/Fasを(B-1)と同様に前処置し、そこにFasLのみを発現するeffector細胞、D11S-hybridomaを作用させ、inhibitorの抑制効果を検討した。膜障害(^<51>Cr)はcontrolに対してBで58.5%,Dで73.8%抑制された。DNA傷害^<125>I-UDR)はBで96.8%,Dで98.9%抑制された。
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