研究課題
1.抗サイトケラチン(CK)抗体による免疫組織学的微小リンパ節転移診断リンパ節転移陰性とされた第I期肺癌症例のリンパ節を抗サイトケラチン(KC2)抗体にて免疫組織化学的に検討したところ、約70%にCK染色陽性細胞を認めた。CK陰性症例の再発率が8%に対し、CK陽性症例では39%と高率であり、微小リンパ節転移の検出が、再発の指標として有用であることが示唆された。2.血液中の微量癌細胞の検出本年度、原発性肺癌切除症例49例から末梢血、肺静脈血、骨髄液を採取し、各々より有核球を比重分離法にて分離した。まず、これらの検体を対象に、抗サイトケラチン抗体(CK2)を一次抗体に用いて、免疫組織化学的(APAAP法)にCK陽性細胞の検出を行い、一部の骨髄液、肺静脈血に、CK陽性細胞を認めた。3.遺伝子変異の解析極めて微量の細胞からK-ras遺伝子変異を検出する系を、mismatched primerを用いたPCR-based designed RFLP法にてすでに確立しており、さらに、正常細胞中の癌細胞の検出を少なくとも1:10^4の比率で検出できることを確認した。今後、循環血液中(末梢血、肺静脈血、骨髄液)の微量癌細胞を、遺伝子変異を指標に、より高感度に検出するため、抗サイトケラチン抗体によるImmunomagnetic beadsによる系を推進する予定である。