これまでの研究では、ラットの虚血脳に取り込まれたC-PROXYLを L-band ESR-CTsystemを用いて撮像することが可能であり、その描出巣は虚血時間の延長に伴う梗塞巣の分布の拡がりに一致して拡大すること、さらに虚血後の再環流後の描出巣の経時的変化もとらえられることを示した。 また、X-bandESRspectrometerを用いて、microdialysis法により虚血脳におけるニトロキシドラジカルの信号強度を経時的に測定したところ、ESR一CTにおける描出巣の経時的変化と同様の傾向を示した。すなわち、信号強度は再環流20分後で最大となり、その後減少するが、40分後には再増加する傾向が認められた。 以上の結果より、ESR一CTにおける描出巣は虚血部におけるラジカル産生を間接的に反映したものであり、ESR-CTによる撮影はラジカルの産生、消去などを経時的にとらえている可能性が示唆された。 しかし、これまでの研究では、虚血部位において産生されるラジカルの種類までは特定できておらず、現在、X-bandESRspectrometerを用いて検討中である。
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