研究概要 |
1.平成8年度の研究では,主に臨床用MRI装置(Signa Horizon,静磁場強度1.5T)を用いたMRI測定法およびデータ解析法の改良を行った. 1)surface型コイルの導入によって高感度での測定を可能とし,従来のgradient-echoシーケンスによる測定ながら超高速MRI測定法(Echo-planar imagimg)を用いて,部分視野刺激による視覚野への脳活動の経時的な広がりの測定が可能となった. 2)データ解析法では,MRI信号変化の位相解析を実現し,脳局所における脳活動の経時変化の解析を可能とするとともに,従来分離が困難であった静脈洞や皮質静脈からの信号変化との区別が可能となった.また,解剖学的部位特定のための通常のMRI dataの3次元的構築と脳機能画像の重ね合わせなどの画像処理を可能とした. 3)以上の成果を踏まえてsurface型コイルを用いた高速高分解能分子拡散画像測定のためのシーケンスの改良,装置の調整をすすめている. 2.当初本年度の研究計画を予定していた,単離神経線維のin vitroの研究は,高分解能NMR測定装置(Unity-NOVA,静磁場強度7.0T,15cm bore,Varian社製)の装置上の問題のために遅れている.早急に問題の解決を図り平成9年度早期より研究を遂行する予定である.
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