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1998 年度 実績報告書

麻酔・手術侵襲の客観的指標としての細胞アポトーシス測定の有用性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 08877242
研究機関大分医科大学

研究代表者

岩坂 日出男  大分医科大学, 医学部, 講師 (90175216)

キーワードアポトーシス / 好中球 / リンパ球
研究概要

【目的】アポトーシスは細胞の自然死として壊死とは異なる細胞死と定義される。これまで手術侵襲によるアポトーシスの可溶性成分に対する影響について報告してきた。今回、生体防御と免疫能に最も関連する好中球とリンパ球の心臓手術周術期でのアポトーシスの変化について検討したので報告する。
【対象および方法】大量フェンタニール麻酔により冠動脈バイパス術を受けた患者6名を対象とした。術前、術直後、術後1日目、術後5日目に採血を行い、好中球、リンパ球を分離し、それぞれを1X10^6/mLになるように調整した。これを37度の恒温槽で6時間培養し、塗沫標本、DNAラダー、フローサイトメトリーを用いてアポトーシスの程度を測定した。また培養上清を用いてCe11 Death Detection ELISAによる検討も行った。
【結果】好中球数は術前平均2475/mm3から術後9062へと増加したのに対して、リンパ球数は術前2301/mm3から術後689へと減少した。好中球での術前、アポトーシスの率は30.5%から術後10.4%へと低下し、その後徐々に術直前値へと回復した。これに対してリンパ球の術前アポトーシス率は13.3%から術後33.5%へと増加した。これらの血球数、アポトーシスの変化は術後徐々に術前値へと回復してきた。
【総括】心臓手術侵襲手術侵襲の中でも過大侵襲の一つであるが、術後の好中球数の増加は好中球のアポトーシスが抑制されたことと関係し、術後のリンパ球の減少はリンパ球のアポトーシスが促進されたことと関連性があることが示唆された。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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