研究概要 |
研究成果を要約すれば以下のようになる。本研究ではアンドロゲン依存性、非依存性の増殖を示すLNCaP cell line,アンドロゲン非依存性のPCー3 cell line、DU-145 cell lineを研究対象とした。1,25-dihydroxyvitamine Dが細胞増殖抑制を前立腺癌細胞株LNCaP cell line、PC-3 cell lineで起こすことが知られているので1,25-dihydroxyvitamine Dがc-mycのmRNA発現を抑制するのかを検討した。c-mycのmRNA発現はアンドロゲン依存性、非依存性のLNCaP cell line,PC-3 cell lineでは増加しており、DUー145 cell lineでは増加は見られなかった。1,25-dihydroxyvitamine DはPC-3 cell lineのみでc-mycの発現を抑制した。LNCaP cell lineではその発現は抑制されなかった。sourthern blotによるc-myc遺伝子の増幅についての検討では正常リンパ球、LNCaP cell line、PCー3 cell line、DU-145 cell lineはc-myc遺伝子の明らかな増幅を伴わなかった。さらに、染色体の異常によるc-myc遺伝子の発現異常を調べるためにfluorescence in situ hybridization(FISH)を用いて、c-myc遺伝子の数的異常を調べた。その結果、アンドロゲン依存性、非依存性の増殖を示すLNCaP cell line,アンドロゲン非依存性のPCー3 cell line、DU-145 cell lineの全ての細胞株で4つ以上のシグナルがみられた。この結果は4つの細胞株で8番染色体が4つ以上存在することを示唆した。8番染色体の数的問題などを残る年度で解決したい。
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