(目的)血小板膜上でのphosphatidylserine(PS)発現に関連し、妊娠への影響をマウスを用いた動物モデルで検討した。 (方法)人工リン脂質膜(PS:PC=1:4)を従来の方法で作成した。 1)人工リン脂質膜上でのprothrombinase complex assayをおこなった。2)同活性がannexin Vにより抑制されることを検討し、同時に電子顕微鏡によりその微細形態を検討した。3)同人工リン脂質膜を交配したメスICRマウスに交配後8日目、11日目、14日目に尾静脈より静注し、18日めに屠殺し胎児重量お呼び胎盤重量を計測し、統計的に検討した。 (結果)1)用いた人工リン脂質膜はprothrombinase活性を示し2)同活性はannexin Vにより抑制された。同人工リン脂質微小胞の最大径は0.2μm以下の均一な粒子であることが確認できた。以上より同人工リン脂質微小胞は活性化血小板の膜リン脂質組成に近似していると考えられた。3)さらに同人工リン脂質微小胞により胎児子宮内発育遅延を形成できた。 (考察)こうした活性化血小板をin vivoにおいて検出する臨床的意義が動物モデルにおいて確認できた。
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