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1996 年度 実績報告書

妊婦末梢血中の胎児細胞検出に関する研究-非浸襲的出生前診断法の確立-

研究課題

研究課題/領域番号 08877254
研究機関岩手医科大学

研究代表者

福島 明宗  岩手医科大学, 医学部, 助手 (20208937)

研究分担者 水澤 典子  岩手医科大学, 医学部, 助手 (80254746)
キーワードfetal cell isolation / Prenatal dignosis / Peripheral Blood
研究概要

1.FCM(flow cytometry)を用いた胎児由来細胞の精製:全細胞集団中におけるY chromosome陽性細胞の割合(陽性率)を計算してみたところ、FCMsorting前における陽性率は9%であったものが、抗ウサギヒト絨毛細胞膜モノクローナル抗体(TM)を用いた場合では48.5%と約5倍の増幅、Glycophorin A(GA)+CD71モノクローナル抗体(CD71)を用いた場合では37.5%と約4倍の増幅が可能であった。
2.Magnetic beads(MB)を用いた胎児由来細胞の精製:(1)MB一段階による分離精製;TMを用いた場合では81.0%と約9倍の増幅が可能であったが、GAを用いた場合では26.0%で約2.9倍とこれはFCMを用いた場合よりやや成績の低下が認められた。このため我々は二段階分離精製法確立が必要と考え、以下の基礎実験をおこなった。(2)AIS+MB二段階分離精製法による細胞回収率の実験;まずCD45モニクローナル抗体陽性細胞をAISにて除去(CD45-)したところ、平均で88.2%の細胞が除去可能であった。さらにMBをもちいてGA陽性細胞の採取(GA+)を試みたところ、平均で3.93%の細胞を採取、すなわち平均で96.1%の必要ない細胞が除去可能であった。一方、MBのみを用いた二段階分離精製を行い前者と比較してみたところ、第一段階除去過程(CD45-)では平均で77.3%の細胞が除去され、さらに(GA+)では平均で7.1%の細胞が採取、すなわち平均で92.9%の必要ない細胞が除去された。以上、精製率からみた場合での比較ではAIS+MBによる二段階精製法の方が有用であることが明らかとなった。
以上の結果からみてAIS+MBによる二段階分離精製法が胎児由来細胞検出に有用であると思われた。
3.今後の課題:平成9年度は実際に妊娠初期妊婦末梢血からの胎児由来細胞検出を試みる予定であるが、既に試験的に数例より男児由来細胞(Y染色体陽性)の検出をPCRを用いて試みている。それらによれば、PCRにてY染色体陽性を示したうち、84%が出生後実際に男児と確認された。2)PCRにてY染色体が陰性であったうち、75.0%が出生後女児と確認された。3)本システムでの偽陽性率は16%、偽陰性率は25%であった。我々は今後さらに例数の蓄積を進めていく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 福島明宗: "妊婦末梢血中の胎児由来細胞検出-磁気細胞分離システムの応用-" 日本産婦人科学会雑誌. 48・10. 888-889 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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