研究課題/領域番号 |
08877259
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研究機関 | 島根医科大学 |
研究代表者 |
川内 秀之 島根医科大学, 医学部, 教授 (50161279)
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研究分担者 |
柴 宏巳 島根医科大学, 医学部, 助手 (30281760)
佐野 啓介 島根医科大学, 医学部, 助手 (10263542)
片岡 真吾 島根医科大学, 医学部, 助手 (60152667)
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キーワード | 粘膜関連リンパ装置 / ヘルパーT細胞 / サイトカイン / RT-PCR / 扁桃 / NALT |
研究概要 |
ヒト口蓋扁桃、咽頭扁桃のリンパ球サブセットならびに抗原提示細胞の分布について、種々の病態に患者扁桃を採取し、検討した。 その結果、リンパ球サブセットに関しては、各種病態におけるリンパ球サブセットの偏りは認められなかったが、抗原提示細胞の指標である1E8抗原を用いた抗原提示細胞の分布ではFACS解析で、小児の単純扁桃肥大では1E8陽性細胞が少なく、病巣感染を認める慢性扁桃炎患者の扁桃では1E8陽性細胞が多い傾向にあった。 免疫組織化学で抗原提示とT細胞の活性化に重要なB細胞のリガンドであるCD80およびCD86について検討したが、いずれのリガンドも口蓋扁桃ならびに咽頭扁桃に数多く分布した。RT-PCR法によるヒト扁桃ヘルパーT細胞のサイトカイン産生に関しては、現在検討中である。マウスの実験系では、粘膜アジュバントであるコレラトキシンを併用した蛋白抗原による点鼻感作で、鼻粘膜の粘膜免疫(IgA反応)が選択的に誘導され、鼻粘膜に動員されたTリンパ球でのTh1およびTh2タイプのサイトカイン(IL-2.IFN-r,IL-6)のmRNAの発現の増強が見られることを初めて証明した。 以上の結果は、耳鼻科領域の粘膜関連リンパ装置における粘膜免疫誘導機構を考える上で重要な研究成果であると考えられる。
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