研究課題/領域番号 |
08877266
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
大庭 紀雄 鹿児島大学, 医学部, 教授 (50010070)
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研究分担者 |
上村 昭典 鹿児島大学, 医学部附属病院, 講師 (40213392)
鵜木 一彦 鹿児島大学, 医学部附属病院, 講師 (60193926)
伊佐敷 靖 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (70168160)
上原 文行 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (30168653)
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キーワード | 糖尿病網膜症 / 老人性白内障 / 細膜 / 水晶体 / ミトコンドリア遺伝子 |
研究概要 |
糖尿病白内障・老人性白内障の成因を求める基礎的研究として、末梢血および局所病巣におけるミトコンドリア遺伝子DNAを検索した.研究は進行中であるが、現在までに得られた実績は以下のとおりである. 1.老人性白内障の手術時に得た水晶体試料のミトコンドリアDNAを約50例について検索した結果、みるべき異常は検出できなかった。 2.増殖糖尿病網膜症の手術時に得た増殖病巣のミトコンドリアDNAを約30例について検索した.その中の1例において、ミトコンドリアDN3243に塩基置換を検出した.この変異は末梢血では検出できなかった.したがって、体細胞レベルでの変異が考えられ、網膜組織の増殖過程に何らかの意味をもつと考えている. 以上のように、研究は中途であるが、水晶体においてはミトコンドリアDNAの加齢変化がないと結論してよいであろう.水晶体上皮細胞の特性からしてミトコンドリアDNAの体細胞レベルでの変異は起こりにくいものとみなされる.一方、糖尿病の網膜病変では、まだ1例ではあるが上記のような変異をみたことは興味がある.網膜の加齢あるいは糖尿病病変に伴って変異をみることは、網膜の特性として注目に値する知見と思われるが、今のところ1例のみで検出されているので今後は症例を蓄積して検討を進める必要がある.
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