研究概要 |
実験システムの確立(高橋,長坂 菅原担当) 1.実験動物 実験動物として成人期にある家兎を用い,チタンミニプレートシステムの顎骨への埋入が可能であること,また埋入したプレートが確実に骨に固定されていることが確認できた. 2.チタンミニプレートシステムの選択およびプレート設置部位の検討 顎骨骨折手術や顎矯正外科手術の骨接合に応用される骨結合性インプラントで,可及的に小さく,L型のものを用いた.プレート設置部位としては,下顎第三臼歯直下の下顎体臼歯部とした.兎の口角が小さいため臼歯部を直視することが困難であったため,プレート埋入術は口外法で行い,前述した部位の骨面に骨ネジにてプレートを固定し,片側端の1穴分を切開創から口腔内へ露出させた.その後,下顎骨を摘出し,軟エックス線写真を撮影し,プレートと臼歯歯根との関係を確認したところ,歯根が長く骨ネジが歯根に接触あるいは損傷を与えている可能性が示唆された. 3.SASを用いた下顎臼歯圧下メカニクスの確立 下顎第三臼歯の頬側面に矯正用ブラケットをボンディング剤にて接着し,食餌によって脱落しないかどうかの確認を行うとともに,SASを用い矯正学的圧下力をブラケットを介して下顎第三臼歯に加え歯の移動を試みた.やはり兎の口角が小さく臼歯部を直視することが困難なため,こられの確認や処置をおこなうたびに口角横切開を行う必然性が生じた. したがって2,3における問題も含めて,今後の実験の進行にあたって前述の術式を容易に施行できる大型の実験動物に変更する必要性が生じてきた.そこで現在は,成犬を用いて,再度,実験システムの確立を行っている.
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