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1998 年度 実績報告書

オルト置換アニリンのN,N-ジアセチル化その立体化学への応用

研究課題

研究課題/領域番号 08877318
研究機関東邦大学

研究代表者

村上 泰興  東邦大学, 薬学部, 教授 (20009179)

研究分担者 近藤 和弘  東邦大学, 薬学部, 助手 (90277343)
鈴木 英治  東邦大学, 薬学部, 助手 (40187753)
谷 正宣  東邦大学, 薬学部, 講師 (50057733)
横山 祐作  東邦大学, 薬学部, 助教授 (10095325)
キーワードオルト置換ジアシルアニリン / N-C軸不斉 / 光学活性 / イミド / ラセミ化 / 不斉アシル化 / 化学選択的アシル化 / ねじれ
研究概要

二つのアシル基が異なるオルト置換非対称N,N-ジアシルアニリンにおけるN-C軸不斉の存在についての検討し、以下の結果を得た。
1) オルト位の置換基が嵩高い(ortho-tert-butyl)非対称ジアシルアニリンはそのアシル基の種類によらずN-C軸不斉が存在することが分かった。
2) 光学活性カラムを用いたHPLCによる種々の非対称ジアシルアニリンを光学分割後、それらN-C軸不斉の安定性を調べた。その結果、予想外にもアシル基が立体的に小さい程、軸不斉が安定であることが分かった。そして、室温でラセミ化しない安定なortho-tert-butyl-N-acetyl-N-propionylanilineを見い出すことができた。本例は、イミド窒素-炭素結合軸不斉による安定な光学活性体の最初の例である。
3) 予想外にもアシル基が立体的に小さいジアシルアニリン程、ラセミ化しにくい要因を明らかにすべく、以下に示す検討を行った。i)異なる4つの温度によるラセミ化速度の測定とそれによる活性化エントロピー,同エンタルピーの計算、ii)検討したジアシルアニリンの二つのアシル基カルボニルとそれらアシル基に対応する典型アミドとのアシル基カルボニルの^<13>C-NMRケミカルシフト差の比較、iii)ジアシルアニリンと求核剤ベンジルアミンとの反応性実験、iv)ジアシルアニリンのNOESY
実験
以上の実験結果を総合的に考えると、ラセミ化しやすいジアシルアニリンにはイミドのねじれが存在し、そのねじれによる高エネルギー状態がラセミ化の駆動力となっていることが推察された。現在、さらに詳細にラセミ化機構の解明を検討中である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Yasuoki Murakami: "The crtho-Substituted N,N-Diacetylaniline as a selective Acetylation Reagent" Tetrahedron Letters. 38・21. 3751-3754 (1997)

  • [文献書誌] Kazuhiro Kondo: "2-Chlcro-N,N-dibenzoylaniline : a selective N-Benzoylating Reagent" Chem.Pharm.Bull.46・8. 1217-1219 (1998)

  • [文献書誌] Kazuhiro Kondo: "Enanticselective N-Acetylation of Racemic Secondary Alkyl Amines with Chiral 2-Acetylamino-2'-diacetylamino-1,1'-binaphthyl" Synlett. 725-726 (1998)

  • [文献書誌] Kazuhiro Kondo: "A versatile Synthon for chemoselective N-Acylation Reagents, 2-Fluoro-N-mesylaniline" J.Chem.Soc, Perkin Trans, 1. 2973-2974 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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