研究課題/領域番号 |
08877339
|
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
塩谷 光彦 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (60187333)
|
研究分担者 |
田中 健太郎 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (40281589)
王子田 彰夫 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 特別協力研究員 (10343328)
|
キーワード | 遺伝子発現 / 金属錯体 / 分子認識 / 核酸 / 遺伝子調節領域 / 転写 / チミン塩基 |
研究概要 |
蛋白質は、α-ヘリックス、β-シートなどの特殊な構造部位によりDNAの特定位置に結合するが、このような相互作用は通常タンパク質全体の高次構造を必要とする。申請者は、DNA結合性金属錯体をオリゴペプチドに担持することによりDNA上でオリゴペプチドの折れたたみが誘起され、三者による超分子が形成されると考えた。本研究では、DNAの特定部位に相補的なオリドペプチド-金属錯体を合成し、DNAとの相互作用を種々の分光学的手法より明らかにした。特に、専属錯体の核酸塩基認識能と核酸高次構造変換能の関係を明らかにし、核酸高次構造を認識・変換する金属錯体の一般性の高い分子設計法の確立に重点をおいた。具体的には、シスチンを中央のリンカーとしメリオニンやシステインの残基を金属の配位子とする、二回対称性のオリゴペプチド-金属(銅、亜鉛、白金など)錯体を合成し、それをDNA転写調節領域の回文配列の認識に適用した。まず、核酸の特定部位に結合する新規オリゴペプリド金属錯体の分子設計し、配位子の合成(バッチ法、固相法、自動合成法)および金属錯体の合成を行った。次に、金属錯体(特に白金錯体)の溶液内構造、溶液平衡の解析を多核多次元NMR、質量分析、紫外可視吸収スペクトルなどにより明らかにした。現在、金属中心の酸化還元反応を利用してオリゴペプチド-金属錯体の高次構造を変化させ、DNAの湾曲を制御することを検討中である。
|