食事指導に活用できる「食べ方」を分類する尺度として、6つの独自の食事摂取スタイルの有効性を検討し、さらに食行動修正のための指導方法について考察した。対象は健康な成人男性ボランティア40名とし、以下の2つの実験を行った。 1、従来から用いられる内的コントロール感覚に働きかける食べ方の指導を行い、その前後の食べ方の変化を現有のビデオで観察し、6つのスタイルに分類した。咀嚼回数は観察の精度を増すためにキネジオグラフによる事前の調整を行い、画像データはCanonイメージスキャナで解析装置に取り込んだ。また、身体的反応は生体基礎研究BIOPAC(共同研究者大学備品)により測定し、即時Macintosh Power Bookで解析した。その結果、従来法では摂取時間の延長、咀嚼回数の増加と摂取率の変動が観察でき、前半型から不定型に変化することが確認された。しかし、循環負荷の程度に差はなかった。 2、外的要因を調整する(異スタイルの同席者をおく)方法は、1と同様の観察・解析を行い、前半型から均等型、不定型、凸型に有意に変化することが確認され、有意差はないが均等型と副交感神経活動の関係が注目された。 以上の結果より、食事指導による評価尺度として、食事摂取スタイルによる分類評価は実験の2方法で活用できることが明らかになり、食べ方を修正する指導方法として、内的コントロールに働きかけることなく外的要因を調整する方法を活用することの可能性が示唆された。
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