研究概要 |
本研究の目的は看護の基本用語についてパソコンを利用したシソーラスモデルを作成すること、および、シソーラス構築にパソコン利用が有効であるか否かを検討することである。用語はICNP(InternationalClassification for Nursing Practice:国際看護婦協会)、看護学学術用語(日本看護科学学会看護学学術用語検討委員会)から収集した語2309語に最近の看護科学会誌より収集した用語を加え3489語を収集し、市販のデータベースソフトACCESS97に日本語用語(検索語),英語、出典、コード、大分類,参照の6フィールドの構成で搭載した。平成9年パイロットスタディーを行い、階層構造をもつシソーラス作成を試みたが、階層関係が一義に定まらず複雑になるため、本モデルでは階層分類は行わず、同義語、上位語、下位語、関連語等は一括して参照フィールドにまとめて表示した。特別のプログラム開発は行わず、データベースの検索機能の一つであるパラメータクエリーを用いて検索し、用語の相互関係は検索結果を見て利用者が判断することとした。従って、利用者には多少の看護知識が要求されることとなった。データベースを用いたメリットは(1)普及したソフトなので誰でも容易に利用できる、(2)プログラム開発の必要がなく、構築とメンテナンスが容易、(3)ワイルドカードの利用など検索機能が充実しておりデータの汎用性が高い、(4)インターネットを利用した発展が期待できる等々である。デメリットは(1)利用者に看護知識が多少必要である、(2)登録用語が増えると検索結果が増し一目で確認できないため判断が難しくなることである。デメリットはあるものの、本モデルは現状でシソーラスとして利用可能であり、将来の標準的な看護用語シソーラスの構築に役立つものと思われる。
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