研究課題/領域番号 |
08878003
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研究機関 | 愛知県立看護大学 |
研究代表者 |
中山 和弘 愛知県立看護大学, 看護学部, 講師 (50222170)
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研究分担者 |
柳堀 朗子 愛知県立看護大学, 看護学部, 講師 (50251228)
儘田 徹 愛知県立看護大学, 看護学部, 助教授 (20275150)
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キーワード | 中高年女性 / 女性 / 更年期 / 態度 / 対処行動 / 性役割 / 健康習慣 / 抑うつ |
研究概要 |
中高年女性の更年期への態度と性役割意識が、更年期女性の症状や更年期に対する対処行動としての健康習慣とどのような関連を持つか、また、更年期への態度と女性の性役割意識との関連について明らかすることを目的とした。 本年度は来年度の本調査に向けて、予備的調査を行った。対象者は、愛知県立看護大学の1年生と2年生の母親142名であった。方法は、自記式質問紙による郵送法を用いた。郵送回収の結果、123名から有効回答が得られ、回収率は86.8%であった。調査期間は、平成8年8月から10月であった。 調査データの分析の結果、123名という分析対象者数の少なさや、対象の年齢や職業による偏りの限界を認めつつ、更年期への態度と性役割意識が心身の状態や健康習慣および更年期の認知などに影響を及ぼしていることを明らかにした。 更年期への態度では、女性性喪失、役割再創出、医学的理解の3因子を抽出した。これらの分析から、女性性の喪失感を減らし、新たな役割を創出できるような仕組みが必要なこと、同様に、医学的な文脈では、ネガティヴな態度を助長しやすいため、健康や人生、生活の質をめぐるポジティブな情報を提供できるものが重要であることを指摘できた。また、性役割意識では、男尊女卑、主婦意識、家意識、男女・夫婦平等の4因子を抽出した。男尊女卑的な意識や日本の伝統的な「家」意識は、基本的には更年期に関してネガティヴに関与していることが認められた。関連が認められたことは既存の社会のありかたと密接に結びついているためと考えられる一方で、これらに対抗する男女平等といった意識が更年期への態度と関連を示さない背景には、いまだこれがポジティヴな意味で結びついてくるほどには、社会や家庭において実現していないためではないかと推察された。 来年度は、これらの結果をふまえ、質問紙の再検討を経て、ランダムサンプリングによる大きなサンプルを対象として調査を行う予定である。
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