研究概要 |
ヒトを対象として、エネルギー代謝と脂肪の燃焼を促進させる食品が持久運動能力にどのような影響を与えるのか、エネルギー代謝解析のための指標を用いて検討を行った. 1.実験方法;健康な男子学生7名を被検者とし、エネルギー代謝亢進効果および脂肪燃焼効果があるトウガラシをメルクマ-ルとして、これを0g・1g・2g・5g投与し、投与2時間後に運動負荷を行った.プロトコールは運動強度VO2max50%・30分、60%・3分、70%・3分、80%3分のエルゴメーターによった.エネルギー状態および呼吸循環状態は呼気ガス分析装置および心電計を用いて測定した. 2.結果;強度50%の運動負荷では、酸素摂取量は、コントロールに比べ、投与量に応じて多かったがいずれもコントロールを下回った.また運動強度があがっても同様に低下した.呼吸商では、1g摂取が60%運動強度以下でコントロールを下回り、脂肪燃焼の割合が高くなったが、2g、5gではむしろ糖質代謝の割合が高まった.代謝当量は、10〜15%各運動負荷時で低下しが認められた.心拍数はトウガラシ摂取により各運動強度で低下し,低下の割合はで60%負荷時で大きかった.呼吸数もトウガラシ量に関係なく少なくなり、特に50%の後半〜60%でその傾向は強かった.酸素脈値でも低下が見られ、特にトウガラシ1g50%強度下で効果が強く、末梢組織での酸素取込み能が高まっているという結果を得、従来から考えられているエネルギー代謝への影響だけでなく、呼吸中枢への影響が示唆された.
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