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1997 年度 実績報告書

河床礫および段丘礫の粒径分布に基づく古水文環境復元法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 08878020
研究機関北海道大学

研究代表者

倉茂 好匡  北海道大学, 大学院地球環境科学研究科, 助手 (20241383)

研究分担者 平川 一臣  北海道大学, 大学院地球環境科学研究科, 教授 (40126652)
キーワード河床礫 / 剪断応力 / 粒径組成 / 古水文量復元 / ふるい分け試験 / 段丘礫
研究概要

河床礫や段丘礫の粒径分布から古水文量を復元する試みは,1970年代より行われてきた。しかし,近年の河川砂礫運搬機構研究や河川地形形成に関する実験的研究が進展するにつれ,かつての古水文量復元方法の精度に重大な疑義がかけられるようになった。
Kurashige(1996)は,混合粒径砂礫の粒径と河川剪断応力の間の関係を現状でもっともよく記述するKomar′s Equationに立脚して河川剪断応力を推定する方法を考案した。この方法で計算した値と従来の古水文量推定値との比較により,従来法による推定値は著しい過大評価の可能性があることが判明した。
このことをチェックするため,平成8年度には歴舟川において,現河床礫の粒径組成から推定した河川剪断応力と,水文統計量から求めた剪断応力との比較をおこなった.そして,河床礫の粒径組成に関わらず,河床の埋積礫から求めた剪断応力が高水時の剪断応力に近い値をもつことを見い出した.
平成9年度には,さらに後志利別川と札内川で同様の調査をおこなった.また,歴舟川の段丘礫の粒径組成の調査も行った.本年度の調査でのふるい分け試験に供した試料の重量は,合計で約3.5トンにも及んだ.その結果,以下のことが判明した.
1)後志利別川の現河床埋積堆積物の粒径組成から推定した剪断応力は,この河川の高水時剪断応力に近い値だった.また,札内川の埋積堆積物より推定した剪断応力は,粒径組成に関わらずほぼ一定の値だった.
2)段丘礫の堆積層相は,現河床礫の堆積層相を累重させた構造を保存していた.すなわち,砂が充填した礫層の上部には,かならずマトリックスを欠いた礫層が存在した.
3)段丘礫の砂充填層の粒径組成より推定した剪断応力は,現河床礫の粒径組成より推定した値に近かった.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Yoshimasa Kurashige: "Application of a hydrogeomorphological process study to geomorphology of larger time scale -Appication of selective entrainment equation to paleohydrological estimation-" Transactions,Japanese Geomorphological Union. 17・4. 275-283 (1996)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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