研究課題/領域番号 |
08878024
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研究機関 | 国立教育研究所 |
研究代表者 |
小倉 康 国立教育研究所, 科学教育研究センター, 研究員 (50224192)
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研究分担者 |
猿田 祐嗣 国立教育研究所, 科学教育研究センター, 室長 (70178820)
松原 静郎 国立教育研究所, 科学教育研究センター, 室長 (50132692)
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キーワード | 推理判断力 / 協調的問題解決法 / メタ認知 / 面接調査法 / 比例的推理 |
研究概要 |
2か年継続研究の初年度に当たる今年度は、対象とする中学生の思考力と非科学的推理判断の実態の把握と、実態把握のための協調的問題解決法の開発、及び、学習者自身による推理判断過程のメタ認知機能を促進するための教育手法としての協調的問題解決の実践的可能性の考察を進めた。 まず、思考力の実態把握のために、質問紙調査によって、対象としたひとつの中学校の全生徒(約600人)の「論理的思考力」「科学のプロセススキル」「比例的推理判断能力」を測定した。合わせて、各学期の理科・数学の試験の得点、及び、理科的活動に関する興味関心と経験の程度を各生徒のプロフィール情報として集積し、これらの量的変数間の関係について考察を進めた。 量的分析の結果から、生徒を合計18のグループに分け、それぞれのグループから生徒2人ずつを抽出して、面接調査を実施した。面接は、協調的問題解決法を用いて各グループ数題の理科的問題について行い、問題解決の際の、生徒の推理判断過程を記録した。 その結果、理科的事象の変量とそれらの関係を捉える際の中学生の非科学的な推理判断の実態が明らかとなった。考察は、まだ途中であるが、例えば、非科学的な推理判断は、問題事象に関する適切な状況把握を欠いた手続き的で非反省的な思考パターンによく観察され、また、社会的な相互作用の影響を強く受けていることが分かった。 並行して、非科学的な推理判断に対するメタ認知的制御を可能とするための教育手法としての協調的問題解決法の可能性を、複数の中学教師の実践において検討を行っている最中である。
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