研究分担者 |
山本 真由美 関西国際大学短期大学部, コミュニケーション学科, 教授 (90280114)
倉戸 幸枝 浪速短期大学, 教養課程, 教授 (70170074)
山本 泰三 浪速短期大学, 保育科, 講師 (00230558)
村上 優 浪速短期大学, 保育科, 助教授 (50290325)
渡邊 純 浪速短期大学, 保育科, 教授 (60191764)
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研究概要 |
目的 幼稚園にコンピュータを設置し,園児の使用状況の変化を明らかにし,幼児教育の可能性を探る。 方法 大阪府下私立幼稚園,5歳児の2クラス(24人と25人)。全園児は115人。教諭数は12人。コンピュータはMacintosh Performa 6260をクラスに1台,合計2台設置。 幼児の使用するソフトウェアはAPPLE社At-easeを利用し,以下のものをインストールした。I.マウス基本操作:(1)Mouse Practice,(2)Fripper II.電子絵本:(3)Kid's clicks,(4)Just GRANDMA and Me,(3)Inigoシリーズ III.塗り絵:(5)キッズカット,(7)Coloring book IV.お絵描き:(8)キッドピクス V.ゲーム:(9)Frippletration,(10)ふうせんわり,(11)The Factory,(12)Learn about Animal。 記録は1.コンピュータとクラス内の幼児の行動を俯撤的に録画する。2.コンピュータの画面と園児の操作状況とをデジタルAVミキサーのピクチャ・イン・ピクチャ機能によりVTR画面の中に1/16の大きさに合成挿入する。記録間隔は最初の10日間は毎日録画し,以後は週に1度録画する。その時間は8時頃から60分間である。 結果 自由に遊ぶことができる環境下におかれたコンピュータに対しては,積極的な共同作業がみられた。しばらくすると,個人的には操作したいのだが,順番が回ってこないので民主的なルールを作り楽しんだ。しかし社会的な雰囲気としては,遊べない子どもが物理的に発生して,教諭に訴えたりした結果,自由保育時間は屋外で遊び,コンピュータで遊ばない方が良いと言う雰囲気が形成され,コンピュータで遊んでいると「約束破り」という目で見られる園児も現れたため操作時間が当初は60分間フルに遊んでいたが,次第に減少し0〜30分になった。このようにコンピュータ遊びには,クラス等にかかわる社会的規制が大きく働いている。 今後の課題 コンピュータに対し,特別な偏見を持たない環境下での研究と,カリキュラムに位置付けられた研究により,園児達がどのように表現を膨らませるかを継続的に研究することが必要である。
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