本年度は研究計画に基づき次のような研究を行った。 1.多変量パラメトリックな統計的不確定性関係と多変量パラメトリックな統計基礎方程式の確立。それに基づく多変量パラメトリックな統計基礎モデルの一般理論の構築と具体的事例の構成。これに関して研究代表者は、"Parametric Statistical Uncertainty Relations and Parametric Statistical Fundamental Equations"として研究をまとめた。 2.多変量ノンパラメトリックな統計的不確定性関係と多変量ノンパラメトリックな統計基礎方程式の確立。それに基づく多変量ノンパラメトリックな統計基礎モデルの一般理論の構築と、関連する諸事例の構成。これに関連して、研究代表者と研究分担者が共同して、"高次のデータ記述能力を考慮した多変量ノンパラメトリックな統計的不確定性関係"として研究をまとめた。 3.上記研究項目と多変量修正最尤法との関係についても考察した。これに関連して本年度は、一変量の修正最尤法について、"真の分布の存在を仮定しない、パラメトリックな統計基礎モデルの構築"として研究をまとめた。この場合にも、パラメトリックな統計的不確定性関係から導いた統計基礎方程式と同等な統計基礎方程式が得られた。このことは、統計の基本原理の主要な部分としての統計基礎方程式の役割をかなり明確に指し示していると思える。 上記1〜3の研究に関連する数値計算等も行った。多変量解析及び数値計算に機動的に対応できる高性能なパーソナルコンピュータおよびハードディスクドライブなどを購入し、研究推進の高度化と効率化を図った。
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