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1996 年度 実績報告書

酵素トランジスタに関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 08878041
研究機関東北大学

研究代表者

青木 孝文  東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (80241529)

キーワード分子素子 / バイオ素子 / 分子コンピューティング / バイオコンピューティング / 酵素反応
研究概要

酵素トランジスタは,エフェクターにより活性が制御される酵素をモデルにした素子である.平成8年度は,均一な溶液中において動作する酵素トランジスタ回路の系統的な解析法および設計法のついて検討した.
1.均一系における酵素トランジスタ回路の動作解析プログラムを作成した.一般に,酵素反応はいくつかの酵素基質複合体を経由する多段階反応として記述される.このため,微分方程式を直接的に解いて動作シミュレーションを行った場合,解析できる回路規模が著しく限定されることが判明した.これを解決するために,酵素トランジスタの動作を1段階反応で近似することの妥当性について検討を行った.この結果,酵素トランジスタの動作がほぼ定常状態に近い状況においては,十分な精度での近似が可能であることを明らかにした.
2.酵素トランジスタ回路の微小信号解析の手法を確立した.通常の電子回路の設計における微小信号解析と同様の手法に基づいて,酵素トランジスタ回路についても,ある一定濃度の動作点近傍で線形近似を行うことにより,微小な濃度信号を処理する各種分子回路の解析が可能であることを明らかにした.
3.上記の解析・シミュレーション法に基づいて,種々の酵素トランジスタ回路を設計し,その動作を確認した.設計した酵素トランジスタ回路は,基質定フラックス型増幅回路,基質定濃度型増幅回路などのアナログ信号処理回路ならびにNOT回路,NOR回路,RSフリップフロップ回路などのディジタル回路であり,正しい動作をシミュレーションにより確認した.また,アナログ信号処理回路に関しては,微小信号等価回路によるゲインの解析結果とシミュレーションの結果が一致することを確認し,開発した設計手法の妥当性を示した.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 青木孝文: "酵素トランジスタ回路の解析と設計" 電子情報通信学会論文誌A. J79-A・5. 1073-1081 (1996)

  • [文献書誌] T.Higuchi: "A Multiplex Computing Paradigm" Methodologies for the Conception, Design, and Application of Intelligent Systems. 1. 95-100 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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