本研究は2ヶ年計画であり、本年度は1年目にあたる。当初の計画どうりに、図形科学における空間認識能力を測るためのテストであるMCT(Mental Cutting Test)のWeb化に関する研究を、ポーランドにおける国際学会(The 7th International Confernce on Engineering Computer Graphics and Descriptive Geometry)において発表した。また、このWeb利用のMCTを図形教育の前と後に学生に解かせることにより、その正解率と回答時間からインターネット上のVRMLを利用した図形教育内容の教育効果について評価を進めており、これまでの紙上における三角定規とコンパスによる図学の講義と比較し、興味深い結果を得ている。 補助金の主要な利用目的であるインターネット上のコンテンツを制作するための設備に関しては、PC部品の購入をおこない、これを組み立て調整することにより最適なマシンを製作した。また、その上で稼働するCGソフトウエアを購入し現在その使用法について学習中である。購入予定であったコンピュータディスプレイについては、既設のモニターを利用することで間に合わせた。 前期の「図形情報処理入門」と後期の「図形表現」科目において、情報処理教育センターのコンピュータ施設を利用した図形教育を行っており、そこにおいてはWeb上に講義資料を準備している。学生はいつでもコンピュータ上で、講義資料と課題をブラウズすることが可能であり、課題に対するレポートも学生みずからのホーム上に提出させている。前期の「図形情報処理入門」においては、これまでの紙の上のコンパスと三角定規による図学を、コンピュータ上のCGソフトウエアに置き換えて教育を行った。その際に開発した技法等について今年夏の中国における国際会議にて発表する予定にしている。
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