研究概要 |
昨年度まで,Zlotkinによるゲーム理論の拡張としてのネゴシエーションモデルについての検討,KJ法とISMの融合に関する検討を行ってきた.今年度はこれらについて下記の点を検討しながら現在論文誌に投稿すべく準備中である. (1)Zlotkinモデルの拡張モデルに対して,問題解決のための意見調整における計算量,交渉基準(具体的にはナッシュ交渉解とKalai-Smorodinsky交渉解)を評価する. (2)KJ法における意見集約においてISMによるグラフ表現の有効性を検証する. 今年度は,ペトリネットによる全体仕様記述から分散仕様への変換アルゴリズムについての各種検討を継続的に行うとともに,新たに機械学習・知識獲得に関わる次のようなテーマに関しての研究を行った.特に(2)〜(4)はグループワークを知識処理側面から支援するための基盤として位置付けた. (1)マルチエージェント環境を想定したサッカーシミュレーション(RoboCup委員会において世界規模で規格化されている)における実時間制御と強化学習アルゴリズムの開発とそれによる協調動作への影響の検討.(RoboCup97に出場) (2)大量データからの有効な知識発掘という視点からデータベースからの知識獲得における背景知識と例外的知識の取扱いについの検討. (3)アンケート調査などの頻度の付随したデータ群からの有効な規則の抽出方法について論理最小化の観点からの検討. (4)分散システムなどの解析ツールとして考えてきたペトリネットをルールベースの整合性検証のためのツールとして活用するための検討.
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