プラズマにおける基礎現象としてプラズマ柱の自発的回転があるが、その現象の基礎的研究が不足しているのが現状である。そこでプラズマの回転を電圧バイアス及び高速ガス入射により外部的に行い、回転と渦度の動的特性を調べ更に挙動の制御をする目的で本研究を行った。 電圧バイアスを現在、直径5cmの金属円盤型と、同心円上の二枚の金属板(板間に電圧を印加)で行っている。プラズマ(密度10^<12>-10^<13>cm^<-3>、電子温度数eV)は直径45cm、長さ170cmの真空容器に100G程度の定常磁場を作り、アンテナに高周波を印加して生成している(基本的にはヘリコン波生成プラズマである)。バイアスにより電位は変化するが電場は余り変化せずプラズマ回転の変化も少ないが、正電圧にバイアスした場合はプラズマ中心部で大きくプラズマ密度が上昇するという好結果を得た。特に上記の二枚の金属板を用いた場合で顕著であった。この場合RF電力に対するバイアス電力は50%以下であるが、中心密度は2倍程度増加している。この上昇は、イメージ・インテンシファイア-付CCDカメラによるArI、ArIIのライン強度の、二次元的測定でも確認されている。これらの実験結果は、回転及びプラズマ分布の制御が可能な事を示している。又、予備的に高速ガス入射実験を、入射角を変化させて行い始めている。 以上のようにプラズマの回転の制御と特性(プラズマ諸量や分布も含む)を調べているが、これからは更に詳しく行い挙動制御の研究に向かう予定である。
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