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1997 年度 実績報告書

環境汚染物質の人体影響評価のための簡易模擬人体システムの開発に関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 08878072
研究機関東京大学

研究代表者

鈴木 基之  東京大学, 生産技術研究所, 教授 (10011040)

研究分担者 酒井 康行  東京大学, 生産技術研究所, 助手 (00235128)
迫田 章義  東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (30170658)
キーワード人体影響評価 / 模擬人体 / 水質評価 / バイオアッセイ / 動物細胞培養
研究概要

現在、環境水等の水質評価は個々の化学物質の濃度に基づいて行われているが、化学物質に対する生物の応答によって人体や生態系への影響を評価しようとするバイオアッセイと呼ばれる手法が注目されている。この手法は無数の環境汚染物質の総括的な人体影響を評価できる点で有利とされている。本研究は、体内への搾取、体内での代謝等をも再現することの可能な簡易模擬人体システムを構築し、より人体に近い動物細胞複合培養系による人体影響評価法を確立することを最終的な目標としている。平成8年度-9年度においては、人体の主たる摂取経路である小腸上皮細胞と毒性が発現する標的細胞からなる小腸-標的細胞複合培養系を確立し、化学物質の経口投与に対応した標的細胞の挙動を検討した。
本研究では、小腸上皮細胞としてヒト由来の小腸上皮細胞株Caco-2を使用し、標的細胞としてヒト正常2倍体繊維芽細胞TIG-1を使用した。それぞれの細胞を2層細胞培養器で培養した。
各種化学物質を負荷したときにおける、単一培養系および複合培養系の標的細胞(TIG-1細胞)の容量作用曲線よりED50値を求め、さらに各化学物質のヒトの経口投与に対するLD値(致死量)と、増殖阻害試験より求めたED50値を比較検討した。この結果、従来の動物細胞単一培養系による化学物質の毒性評価は、化学物質が実際に人体に与える影響よりも強く発現するのに対し、小腸上皮細胞株であるCaco-2細胞を付加した複合培養系においては、単一培養系による毒性評価に比べ、より人体に近い形で毒性を評価できることが確認された。このことは、複合培養系に於ける評価の重要性を示すとともに、肝臓組織による代謝過程、腎臓や肺による排泄過程等を考慮した毒性評価法への第一歩となるものである。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Suzuki,M.: "Molecular Dynamics Simulation of Liquid Phase Adsorption of Alkaloid onto Graphite Surface" J.Chem.Eng.Japan. 30(5). 887-895 (1997)

  • [文献書誌] Suzuki,M.: "Adsorption of Carbon Dioxide onto Hydrophobic Zeolite in High Moisture Conditions" J.Chem.Eng.Japan. 30(5). 954-958 (1997)

  • [文献書誌] Suzuki,M.: "Recovery of Carbon Dioxide from Stack Gas by Piston-driven Ultra Rapid PSA" J.Chem.Eng.Japan. 30(6). 1026-1034 (1997)

  • [文献書誌] Suzuki,M.: "Study on the Adsorptive Separation of Berberine Alkaloids in Copyis Japonica Makino by MD Calculations" J.Chem.Eng.Japan. 30(6). 1098-1106 (1997)

  • [文献書誌] Sakoda,A.: "Adsorption of Viruses in Water Environment onto Solid Surfaces" Water Sci.Tech.35(7). 107-114 (1997)

  • [文献書誌] Sakai,Y.: "Quantitative Comparison of Rat Hepatocyte Functions in Two Improved Culture Systems with or without Rat Liver Epithelial Cell Line" Cyotechnology. 21. 243-252 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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