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1996 年度 実績報告書

RNAワールドからRNPワールドへ

研究課題

研究課題/領域番号 08878083
研究機関東京大学

研究代表者

上田 卓也  東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (80184927)

キーワードRNA / リボソーム / 蛋白質合成 / ペプチジルトランスフェラーゼ
研究概要

生命に誕生において、まずRNAのみからなるRNAワールドが原始地球上に存在し、その後このRNAワールドに蛋白質がとり込まれたするシナリオが有力なものになりつつある。しかし、この蛋白質の取り込みについての道筋に関してはなんら説得力のある仮説は提唱されていない。本研究は、このプロセスについて、現在の生物の分子機構の解明を基盤としてアプローチした。
蛋白質の合成は、現在の生物では、巨大な蛋白質-RNA複合体であるリボソームで行われるが、そのペプチド鎖形成反応を行う分子(ペプチジルトランスフェラーゼ)が、リボソーム蛋白質であるのか、リボソームRNAであるのかは、未だ不明である。1992年には、H.Noller(米)のグループは、除タンパク処理を行ったリボソームでもペプチド鎖形成反応をすることを見いだしたが、この除タンパク処理は不十分であり、RNAがペプチジルトランスフェラーゼ活性を持つという結論には到達できなかった。本研究では、まずリボソームRNAを試験管内での転写反応によって合成し、完全に蛋白質のないシステムを構築した。このシステムを用いて、様々な条件を検討した。その結果、23SリボソームRNAの構造を組み直すフォールディング処理を行い、また界面活性剤であるSDSを添加することにより、ペプチジルトランスフェラーゼ活性を発現させることに成功した。この結果は、リボソームRNAがペプチジルトランスフェラーゼそのものであることを示す最初の実験的証拠となった。つまり、RNA単独でも蛋白質の合成が可能であり、RNAワールドと蛋白質とのミッシングリングを発見したと言える。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Nojima, T.et al: "Pyridine-promoted factor- and energy-free peptide synthesis systems prepared from various organisms including prokarytote, eukaryote and mitochondria" J.Biochem.119. 1076-1079 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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