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1996 年度 実績報告書

触媒機能を有するディノボ人工タンパク質の創製は可能か?

研究課題

研究課題/領域番号 08878087
研究機関九州工業大学

研究代表者

西野 憲和  九州工業大学, 工学部, 教授 (40145165)

キーワード4α-ヘリックスバンドル構造 / ディノボ設計 / 人工タンパク質 / 触媒機能 / 酵素モデル
研究概要

4本のα-ヘリックス鎖を束ねた、ポリペプチドの4α-ヘリックスバンドル構造体の内部疎水場に、1組ずつのグルタミン酸とヒスチジンを配置した。2個のカルボキシル基と2個のイミダゾールはバンドル構造内部で正四面体型に配置するものとして設計した。合成した1本鎖57-ペプチド(57-HEHE)はZn^<2+>またはCo^<2+>添加によってα-ヘリックス性が増大し、内部に金属イオンを結合することが可能であることがわかった。さらに5-HEHEは、活性エステル型の基質の加水分解を加速する触媒活性を示した。この場合、内部疎水場への基質の取り込みを円滑に行うため、ドデシル硫酸ナトリウムを加えると触媒活性は増大した。
4α-ヘリックスバンドル構造体の内部にシステインとチオエーテルを介してフラビンを結合した。このポリペプチドにN-アルキルジヒドロニコチンアミドを基質として加えると、アルキル鎖長に依存して基質親和性(Km値の逆数)が増加し、ドデシル基を結合した基質の場合アセチルフラビンに対して24倍の触媒活性の増大が見られた。
両親媒性α-ヘリックス鎖に基づくバンドル構造内部は疎水性の高い場となっているため、界面活性剤や長鎖アルキル基を結合した基質を取り込みやすい。また、長鎖アルキル基は複数本取り込まれることによって、バンドル構造を形成している18残基のロイシン側鎖と共に混合ミセル状態を形成し、バンドル構造体の内部潤滑剤の役割を果していると考えられる。このようなキャタリティックモルテングロビュールとしての人工タンパク質の特性を明らかにしつつある。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Y.Tanaka,K.Nagamoto,H.Sasaki,T.Fujimoto,N.Nishino,M.Oka: "Four α-Helix Bundle Structure Built with Alternating D-and L-Segments." Tetrahedron Lett.37. 881-884 (1996)

  • [文献書誌] Y.Tanaka,H.Akisada,T.Fujimoto,N.Nishino: "Fluorescence Energy Transfer to Tailed Acridine Oranges from Pyrene Excimer" Chem.Lett.1996. 135-136 (1996)

  • [文献書誌] N.Nishino,T.Murata,K.Kaneko,T.Uchida,T.Fujimoto: "Four α-Helix Bundle Structure Accommodating a Pair of Porphirin Rings" Peptides 1996,Proceedings of 24th Eurorpean Peptide Symposium. 1996(in press). (1997)

  • [文献書誌] N.Nishino,H.Sasaki,K.Kaneko,T.Uchida,T.Fujimoto: "Design of βαβα-Structure of Polypeptide with Pyrene,Flavin,and Porphrin Functions" Peptides 1996,Proceedings of 24th Eurorpean Peptide Symposium. 1996(in press). (1997)

  • [文献書誌] H.Mihara,J.Hayashida,H.Hasegawa,H.I.Ogawa,T.Fujimoto,N.Nishino: "A Pair of Pyrene Groups as a Comformational Probe for Antiparallel β-Sheet Structure Formed in Cyclic Peptides." J.Chem.Soc.Perkin Trans.2. 1997(in press). (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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