合成ウナギカルシトニン(エルカトニン)を担体とした親和性カムラで、ウナギ脳よりエルカトニン結合蛋白を精製した。この蛋白でウサギを免疫して得た抗体は、ヒト胎盤の約60KDaの蛋白を染色した。この蛋白遺伝子をクローニングする目的で、ヒト胎盤cDNAライブラリーを抗体スクリーニングした。その結果11クローンを単離することが出来た。各クローンをサブクローニングした後、その塩基配列を決定すると未知の配列を持つ2種(1つは1クローン、もう1つは3クローン)のクローンが得られた。どちらの配列もワシントン大学-メルク社のESTプロジェクトに登録された遺伝子断片と同一で、しかし完全長の遺伝子ではなかった。そのうちの1つは(NZ3クローン)、断片をプローブとしたノーザン解析で2Kbp以上の遺伝子であることが確認された。RT-PCRによるヒト組織でのmRNAの発現解析では白血病由来の細胞株(B細胞、T細胞、単球、血小板系)では全ての細胞で発現していた。現在5′RACE法などで、上流の遺伝子配列を決定すべく実験している。
|