研究課題/領域番号 |
08878122
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
劒 邦夫 山梨医科大学, 医学部, 教授 (10018690)
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研究分担者 |
伊波 英克 山梨医科大学, 医学部, 助手 (50242631)
望月 光由 山梨医科大学, 医学部, 助手 (90174341)
三井 和浩 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (20174063)
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キーワード | 出芽酵母 / 生物リズム / 時計遺伝子 / 自食死 / GTS1遺伝子 / DLP表現型 |
研究概要 |
(1)前年度にGTS1遺伝子産物Gts1pは多剤耐性トランスポーターのC末端と高いホモロジー示す部位でホモダイマーを形成し、同時に多剤耐性に関与するカドミュウム因子YCF1遺伝子産物とも相互反応することがわかった.また、酵母カドミウムなどの重金属、過酸化水素などのオキシダントやジニトロベンゼンなどの薬剤など、種々の外的ストレスに対する耐性はGTS1欠損株、多コピー株の両者で減少し、しかも寿命が両者で短縮することから、ストレスなどに対してはGTS1野性株で最もよい条件に調節されていることが分かってきた。この部位のアスパラギン酸の部位特異的変異株の表現型の検索から、ホモダイマーの形成が出芽のタイミングや細胞サイズなどのGts1pの機能に関係していること、シクロヘキシミドやカドミウムの耐性に関係していることが解った.(2)エネルギー飢餓期の酵母に見られる解糖系(NADH)のウルトラディアンリズムに対しGts1pが発現量に依存した影響を与えることを見い出し、GTS1が時計関連遺伝子である可能性がさらに高くなった.(3)酵母の自食死に関係する遺伝子の検索については、前年度に単離したdlp1変異株についてさらに検討を加え、DLP1遺伝子は、内因性2ミクロンプラスミドのコビー数の抑制を行っている遺伝子で、その変異により内因性2ミクロンプラスミドが増加し、寿命に関係する種々の発現型が現われることがわかった.また、老化によって細胞分裂が出来なくなった細胞も光学顕微鏡レベルで自食死とよく似た形態的変化を示しながら死んでいくことが示された.
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