研究概要 |
新生ラットから得られた室傍核単層培養系を用い、視交叉上核ニューロンとの共培養を行うことにより、CRHニューロンにおけるCRHの合成・分泌に対する視交叉上核生物時計の作用機構を明らかにすることを目的とした。まず、生後2-3日目の新生ラットの視床下部スライスより、室傍核及び視交叉上核を切り出しトリプシン処理にて単離細胞を得、無血清培地にて分散培養を行った。培養液中に分泌されるCRH、バソプレッシン、VIP等の神経ペプチドをRIA法にて測定した。視交叉上核の分散培養においては、バソプレッシン、VIPともペプチドリズムパターンがサーカディアンリズムを示した。しかし、室傍核の分散培養においては、CRH,バソプレッシンともペプチドリズムはサーカディアンリズムを示さなかった。また、室傍核、視交叉上核細胞のCo-CultureではCRHにリズムが見られた。次に、室傍核、視交叉核細胞の液性連絡のみのCo-Culture系を確立するために、生後5-6日目の新生ラットの視交叉上核単層培養系をcollagen上で確立した。この系では、バソプレッシン、VIPのペプチドリズムパターンが分裂阻止剤を投与するとサーカディアンリズムがみられ、投与しないとサーカディアンリズムが見られない傾向があった。さらにcollagen上での室傍核単層培養系を確立し、視交叉上核とのCo-Culture系での分裂阻止剤を投与の影響、液性連絡でのペプチドリズム発現の有意を調べサーカディアン信号の伝達機序を明らかにする。
|