シトクロムにおけるNO配位と、それに伴うシトクロムCの電気化学特性の変化からNOの定量を行う電気化学測定系の構築を行ってきた。本年度はその系に加えて、ラジカルであるNOをキノン系のスポントラップ試薬を用いてトラップし電気化学測定を行う系についても構築を行った。その結果キノン系スピントラップ試薬が電極電位により可逆な酸化還元が可能であることを見出した。ここで評価を行ったスピントラップ試薬は水溶液中においても安定した電気化学的挙動を示し、そのときの酸化電流は添加したNO濃度に依存して増大した。以上のことからNOの電気化学測定プローブとして優れていることが明らかとなった。 現在、より詳細な電気化学特性の評価を行うとともに、センサシステムの構築を行うため導電性インキ中でのスピントラップ試薬とNOの諸特性について評価を行っている。
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